OPEN RESEARCH

公開研究

実案件とは別に、技術調査、試作、評価の公開研究を行っています。

コードだけでなく、評価条件、比較結果、制約、採用・不採用の判断まで残しています。

掲載内容は顧客への導入実績ではありません。すべて自主的な公開研究・技術検証です。

業務への適用案は、実データでの検証を前提としています。

公開研究 / 01

正常品の見本から、基板の異常を探す

不良の見本を学習させずに異常を探す3方式を実装し、次の検証へ進めるかを判定しました。公開PoCとして、比較実験と採用見送りの判断まで完了しています。

実装・比較した方法

画像の位置を合わせて明るさの差を見るECC残差法、輪郭の特徴を使うPatch HOG+One-Class SVM、学習済みAIの特徴を比べるDINOv2です。いずれもCPUで動かしました。

データと判定条件

公開画像集VisAの基板PCB2を使用。正常20枚を見本、別の正常881枚を判定基準の調整、さらに別の正常100枚・異常100枚を性能テストに使いました。正常品の誤検出率5%以下、異常の検出率90%以上などを先に固定しています。

結果と業務判断への意味

異常100枚の検出数はECCが13枚、Patch HOGが16枚、DINOv2が34枚。正常100枚の誤判定は順に4・5・7枚で、3方式とも採用を見送りました。「比較した中で最良」でも、見逃しと再確認の負担が許容できるとは限りません。

残る確認と成果物

判定前に正解を伏せ、画像ごとのスコア・誤判定・判断理由をCSV・JSONで保存しました。この比較実験には、誤判定した画像の目視確認や改善後の再評価は含まれません。不良画像10枚での学習、欠陥位置の特定、現場導入は検証していません。

公開研究 / 02

点群を整え、位置合わせを評価する

点群は、表面を3次元座標の点で表すデータです。Point Cloud Playgroundでは、間引き・不要点の除去・面の向きの推定・位置合わせを実装し、7種類の実験で評価しています。

対象と実装

人工の曲面6,000点と、USGS 3DEPの地表レーザー測量データ5,000点を使用。NumPy・SciPyで処理し、変換後の点群、条件ごとの測定CSV、比較図を出力します。

位置合わせの比較条件

同じ点群から共通する点の割合を100・80・60・40%に変え、2度の回転と点間隔の半分の移動を加えました。通常のICPと、近い70%の対応だけを使うTrimmed ICPを、最大80回の計算で比較しました。

分かったこと

正しい対応点との誤差(RMSE)が点間隔の中央値の1%以下で収束した条件は、両データとも通常のICPが4条件中1条件、Trimmed ICPが2条件でした。約80%の重なりでは改善しましたが、約60%・40%では両方式とも基準未達でした。

業務への適用を考えるなら

形状比較では、共通して写る面と初期位置を確認する材料になります。ただし同じ点群を切り分けた実験で、実機の見え隠れや独立した測定は未再現です。工業部品から編集可能なCADまで作る処理や、測定機器の精度保証は実証していません。

公開研究 / 03

CSVを整え、変更理由を記録する

Data Cleaning Toolkitは、CSVを調べ、人が確認したルールで整えるPythonツールです。自動で正解を推測するのではなく、何を変更したかを記録する実装を検証しています。

入力・処理・出力

UTF-8のCSVと処理ルールを入力し、構造の確認、型・表記の統一、必須項目や列間の条件の検査、重複処理を行います。出力は別のCSVと、行番号・元の値・理由を持つ監査JSONです。

動作確認の具体例

意図的に不備を含めた7行から、不正3行・重複1行を除いて3行を出力し、21件のセル変換を記録しました。型の候補、対応表での置換、列間の条件など、8種類の自作例の結果を公開しています。

実装上の工夫

入力・ルール・出力の内容を識別するSHA-256を記録し、同じ入力と設定から同じCSV・JSONを生成します。不正な行を出力から外しても、問題と変更の記録は残します。

業務への適用を考えるなら

集計前の表記統一や入力確認が候補です。ルールに合うことは業務上の正しさを保証せず、似た表記の推測統合も行いません。Excelの数式・書式・VBAは対象外で、大容量データの性能や削減時間は別途検証が必要です。

公開研究 / 04

STEPの情報を取り出し、確認を挟んで寸法を変える

Research Notesでは、部品名・配置の読み取り、公開STEPの形状検査、確認を挟む寸法編集を、それぞれ対象と条件を分けて検証しています。

部品名・構成・配置を取り出す

AP242の限定した表現を読むPython解析器を実装。自作STEP17件で、読み取り完了5件・保留6件・拒否6件が事前に決めた扱いと一致しました。部品の定義と使用箇所を分け、回転・二段組立・単位換算を確認しています。

外部の公開STEPで形状を確認

ブラケット・M6ねじ・電子部品など6ファイルを読み込み、再出力後の計測値を照合しました。SAMの2形式では境界曲線の検査に各57面の不一致が残り、EMMYは399面中256面までの詳細解析です。

寸法変更案を確認してから反映

対応する単純な部品では、形状候補の選択、寸法変更案の表示、確認後の反映、前後比較、STEP出力を実装しました。変更案の確認操作と、読込から出力までの連携を、それぞれ8種類の限定した条件で確かめています。

業務への適用を考えるなら

情報の一覧化や、繰り返す寸法変更が候補です。外部6ファイルの検査は、名称・材質の取得や編集を実証したものではありません。元CADの履歴・組立拘束の復元、各CADとの互換性、業務での削減時間は別途確認が必要です。

寸法変更の記事では、変更案の確認・反映と、拘束条件を定義した小規模アセンブリの再計算・干渉確認を、図でご紹介しています。

新旧STEPの比較では、自作16組と外部公開STEP6件の計22条件を固定して評価しました。自作は比較完了9件・一部保留2件・全体保留5件、外部6件は読込条件で拒否されています。再現用STEP、実測値、HTMLレポートを公開しています。

新旧STEPの変更候補・寸法差・判定保留の検証を読む

公開研究 / 05

AIの成績と欠損の影響を比べる

ML Evaluation Workbenchは、同じ学習・評価データで複数の判定方法を比べる仕組みです。平均の成績だけでなく、入力の欠損や一件ごとの間違いも記録します。

対象データと方法

Palmer Penguinsの344羽分のくちばしの長さ・厚さから、3種類を分類。常に最多の種類を答える基準、境目を学ぶロジスティック回帰、似た5羽の多数決で決める5近傍法を比較しました。

比較条件と結果

同じ5組のデータを順に評価へ回す5分割交差検証を使用。平均正答率は順に44.2%・94.5%・95.9%。種類ごとの誤判定と見逃しを同じ重みでまとめたmacro F1は0.204・0.928・0.949でした。

良い結果だけで終わらせない

評価側の入力セルの25%を人工的に欠損させると、macro F1はロジスティック回帰0.770、5近傍法0.759へ低下し、順位も逆転しました。分割別の指標と、別途固定した86件のテストの予測CSVを公開しています。

業務への適用を考えるなら

通常時の精度に加え、欠損時や測定条件が変わったときの性能を確認する材料になります。一つの小さな公開データと固定モデルの結果であり、製造画像での性能や、特定モデルの一般的な優位性を示すものではありません。

04

CADを開かずに、STEPから穴情報を自動取得。

STEPから穴径・位置・貫通長を取得し、CSVへ出力した実例です。CADでの確認・転記を減らす考え方、CATIA VBAやCAD APIとの使い分け、実データでのPoCをご紹介します。

STEP解析でCAD周辺業務を自動化する例を見る

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